寄  稿  文
イギリス紀行
                                                 伊佐洋子(文45)

7月にイギリスを旅行しコッツウォルズを3泊でドライブしてきました。

コッツウォルズはロンドンから200キロほど離れている美しい丘陵地帯でその中に13世紀14世紀に羊毛産業の中心として栄えた時代に建てられた裕福な商人たちの家が年を重ねて美しい独特の色で残る村が点在するイギリス観光の人気の場所です






ロンドンから日帰りや1泊のツアーも出ていますが以前に著名な場所は訪れたこともあり小さな村を車で巡ってきました公共の乗り物では本数や接続が悪くて効率よく回るためにはレンタカーがやはり便利です。日本と同じ右ハンドルですので国際免許証を持っていけば比較的簡単に運転できます。

初日はゆっくり出発し途中の景色を楽しみでながらCheltenham(チェルトナム)郊外で一泊しました。ホテルは街中でなく庭の広い所を選びました。庭でお茶を飲むのも楽しみの一つです。イギリスの7月は10時近くまで明るいので5時過ぎに到着してもたっぷり時間があり宿泊客は紅茶やビール、カクテルを飲みながらおしゃべりや読書を楽しんでいます。二日目からが本格的なコッツウォルズドライブです。

カーナビを使って運転するのですがポストコード呼ばれる郵便番号を入れて検索するのが最も簡単です。私の使ったカーナビはトムトムの愛称で呼ばれる一般に使われている小型のもので約10センチ正方ですので目的地までの全体像は見えません。日本のように渋滞情報などでませんので事故などあると大変ですが信頼できます。
トムトムに任せて走る道はすれ違いする車もほとんどなく丘を越え小川の辺を走り羊や牛馬が放牧されている牧場、眼下に眺めるハニーカラー(はちみつ色)の村の教会や家々、無人のスタンドにおかれた色鮮やかな野菜や卵。時間がゆっくり流れ車を止めては写真を撮りました。多くの観光客を集めるブロードウェイの近くにラベンダー園があると聞き立ち寄りました
ラベンター製品を作るための工場に隣接したラベンダー畑は花の咲く短期間だけオープンされます。気候と土壌がラベンダーの育成に最適だったこの丘陵では一つの株が大きく色鮮やかで畑の中を散策し360度の景観が楽しめます。畑の一部にはワイルドフラワーのケシ、矢車などが植えられているエリアもあり本当はバラの季節にイギリスを楽しみたかった思いはどこかに飛んで行ってしまいました。




ラベンダー園




無人野菜スタンド



ワイルドフラワー

本来の予定ではこの日はSnowshillに車を止め4キロほど周囲を歩くはずでしたがラベンダー園で時間を使ってしまったので変更しました。予定は未定で行動できるのも楽しみの一つと考えいつも臨機応変を心掛け疲れないをモットーに動いています

ランチは4キロの散歩コースに入れていた場所に車で行きました。Stanton村のはずれの小高い所にあるパブです。下にStanton村を眺めはるか先の丘陵まで見通せるパブは外のベンチが人気で私たちも空席ができたときに席の変更を頼み景色を楽しみました。
Stanton村にはメインストリートに沿って風雪を経て何とも言えない落ち着いたハニーカラーの家が立ち並び今も大切に使われていて家々には花があふれていました。そこに住む人たちはそこに住むこと、見られることを誇りとしているように思われました。

二泊目三泊目はChipping Campdenの近くの小さな村Broad Campdenのゲストハウスに泊まりました。朝食だけしか用意されませんがその朝食が素晴らしいものでした。すべてがローカルの食材で一つ一つ手をかけているのがわかるものでした。





パブのベンチからの眺め





Stanton村メインストリート




ハニーカラーの家並

三日目はChipping Campdenに散歩に出かけました。朝食事前に村の中を散策し眼下に見える場所がChipping Campdenと確認していました。イギリスには歩ける道には標識が立っていて麦畑の中でも牧場の中でも通り抜けられるので行き止まりと思ってもゲートを開け先に進めます。村を目指して丘を下り途中休み休みしながら下から上がってくるハイカーや地元の人たちと挨拶をかわしながら一時間あまりで到着しました。

チッピングカムデンへの道








Chipping Campdenは村というには大きく市が立つ場所がある街で土産物店やレストランが並ぶ観光地です。夕飯を食べる場所の下調べもかねて街を歩き今度は坂を上りました。

午後はHidcote Manorにでかけました。ここの庭は有名で日本からツアーの方たちを多く見かけました。いくつもの趣の異なったコーナーがあり植え込みを抜けるとどんな庭にで逢えるのかというワクワク感がありました。赤のコーナーは黒味がかった茶色から朱赤、オレンジがかった赤など材質感や色味の違いを効果的に使っていて素晴らしいものです。




ゲストハウスの庭




ヒドゥコットマナーの庭



ヒドゥコットマナーの庭

最終日はBibryに立ち寄り戻りました。木陰になった小川の辺で小さなネズミのような動物を見かけました。あっという間にいなくなったのですが後でそれが希少動物に指定されているということを知り驚きました




バイブリーの家並
   


バイブリースワンホテル

4日間で尋ねた場所は少ないのですがどの場所でも2.3時間散歩をするようにしています。Foot Passがあったら歩いてみるとまた違った顔が見え思い出が増えると思います。

楽しい旅行でしたがいやなこともありました

Broad Campdenは本当に小さな村で、村に一軒しかないパブで飲み物を注文しました。値段が判らないので言われた金額を払おうとしたら中にいた常連客がインフレ値段だねと言い女主人は慌てて値段を訂正しましたがほぼ半分の値段でした。またBroad Campdenのレストランでは初めに言われた値段と請求書の値段が異なっていました。こちらは指摘して訂正してもらいましたが食事の味が半減しました。

こんなことは些細なことで良い天気にも恵まれのんびりと人々の温かい気持ちに触れることができた旅行でした。


                         寄稿文            イギリス紀行



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